抄録
これまで困難とされてきた毛包細胞の培養が可能となつたため, この培養細胞を用いて育毛剤の効果をin vitroで判定できるようになつた。この培養法は抜去毛毛包を培養材料としIV型コラーゲンあるいはI型, IV型混合コラーゲン膜を培養基質とする分散培養法で, 間葉系細胞を含まないため定量的実験が可能である。本法にて毛包細胞を培養し, 培地中に各種薬剤を添加して細胞数, DNA合成, 細胞の寿命への影響を検討した。これにより, 育毛剤の毛包細胞に対する増殖促進作用, 寿命延長効果を短期間で定量的に判定することができた。