主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
失敗場面における原因帰属は,失敗した人物がその後行う対処行動に影響を与え,その影響を一般的自己効力感が調整することが明らかになっている。しかし,それは結果の比較をした考察であり,原因帰属と対処行動の関連を直接的に分析していなかった。また,これまでの研究ではネガティブな状況における対処行動の検討はされているが,ポジティブな状況において自らの行動をよりよく改善する対処行動の検討はされていなかった。そのため本研究では,ポジティブな状況についても検討することとし,2つの場面(学業・バイト)を用いて,出来事のポジティブさを操作した。そして,出来事が原因帰属や対処行動に与える影響を自尊心が調整するという仮説を検討した。参加者は大学生135名(うち女性108名)であった。その結果,自尊心が高い人は自尊心が低い人に比べてポジティブな結果を内的に帰属した。また,ポジティブな状況において,自尊心の低い人が内的帰属をしなかった場合,自尊心の高い人が内的帰属をしなかった場合に比べその後の対処行動はとられにくく,一方で自尊心の低い人が内的帰属をした場合,自尊心の高い人が内的帰属をした場合に比べ対処行動がとられた。