西日本皮膚科
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症例
落葉状天疱瘡
—落葉状天疱瘡抗原の解析を含めて—
小野 まり子永江 祥之介井上 光世中山 樹一郎堀 嘉昭
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1990 年 52 巻 1 号 p. 8-11

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抄録
49才男子, 落葉状天疱瘡(PF)の1例について, 正常ヒト皮膚より抽出した蛋白と患者血清を用いたイムノブロッティング法により, 天疱瘡抗原の検索を試みた。その結果, PF血清と特異的に反応したのは110kd, 90kdと18kdの蛋白であつたが, 90kdと18kdの蛋白は110kdの蛋白の分解産物と考えた。PF抗原は分子量158kdとの報告があるが1), また同時にPF抗原のサイズの多様性の報告もあり, この110kdの蛋白がPF抗原である可能性は否定できないと考えた。また, この症例は精神分裂病のために向精神薬を長期間内服しており, クロルプロマジン含有の薬剤2種でリンパ球幼若化試験(LST)陽性を示したため, クロルプロマジンが本症発症に関与している可能性についても考察した。
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© 1990 日本皮膚科学会西部支部
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