西日本皮膚科
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研究
外用合成グルココルチコイド剤Difluprednateおよびその代謝物の培養ヒト線維芽細胞DNA合成におよぼす影響
永井 隆荒瀬 誠治武田 克之
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1990 年 52 巻 3 号 p. 540-544

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抄録

外用合成グルココルチコイド剤difluprednate(DFBA)は体内に入ると, 真皮でまずDFBに代謝され, 続いてDF, HFB, DF20H, HF, HF20Hの順に代謝される。今回DFBAとその体内代謝物, および臨床効果がstrongest, strong, weakとみなされているclobetasol propionate(CP), betamethasone valerate(BV), hydrocortisone butyrate(HB)の培養ヒト線維芽細胞DNA合成への影響を比較検討した。DFBAおよびすべての代謝物は0.1, 1, 10μg/mlでDNA合成を濃度依存性に抑制した。各々の濃度DNA合成抑制曲線より50%DNA合成抑制濃度をもとめ, DNA合成抑制活性を比べたところCP>DFBA>BV>DFB>HB>DF>HFB>DF20H>HF>HF20Hの順で弱くなりHFB, DF20H, HF, HF20Hの活性はDFBAの10%以下であつた。現在ではDFBAとDFBが皮膚で局所作用を担つており, それ以下の代謝物が全身への影響に直接関与していると考えられている。今回の結果より外用DFBAは局所作用が強く, 全身作用が比較的弱い薬剤であると考えた。またDFBAの真皮での最初の代謝物DFBも比較的高い活性を持つていることより, 外用DFB剤が開発されるならより使用しやすいであろうと考えた。

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© 1990 日本皮膚科学会西部支部
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