西日本皮膚科
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治療
Butenafine Hydrochloride(KP-363)クリームの皮膚真菌症に対する臨床評価
—Well-Controlled Comparative StudyによるBifonazoleクリームとの比較—
KP-363研究班
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1990 年 52 巻 5 号 p. 1012-1024

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抄録
Butenafine hydrochloride(KP-363)1%クリーム剤1日1回塗布療法の足白癬, 股部白癬, 体部白癬, 間擦疹型皮膚カンジダ症および癜風に対する有効性, 安全性および有用性を検討するため, 全国31施設からなる共同研究班を組織し, bifonazole 1%クリーム剤を対照薬としたwell-controlled comparative studyを実施した。その成績によると, 足白癬では皮膚所見の最終総合判定においてKP-363 1%クリーム剤は, bifonazole 1%クリーム剤よりも有意に優れていた。癜風では, 治療開始1週目に皮膚所見の総合判定および総合効果において, KP-363 1%クリーム剤はbifonazole 1%クリーム剤よりも有意に優れていた。股部白癬, 体部白癬および間擦疹型皮膚カンジダ症では両薬剤の成績に有意差は認められなかつた。最終総合効果および有用性判定では, いずれの疾患においても両薬剤間に有意差はなかつた。副作用発現率は, KP-363 1%クリーム剤で2.0%(6/299), bifonazole 1%クリーム剤で4.0%(12/301)で, 両薬剤間に有意差はなかつた。治療前後に実施した臨床検査では, 試験薬剤によると考えられる異常は両薬剤のいずれにも認められなかつた。以上の成績から, KP-363 1%クリーム剤はbifonazole 1%クリーム剤と同等の効果と安全性を有し, 有用な薬剤と評価された。
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© 1990 日本皮膚科学会西部支部
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