西日本皮膚科
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研究
本邦における薬疹に関する統計(1984年∼1989年)
福田 英三今山 修平
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1991 年 53 巻 1 号 p. 70-76

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抄録
1984年から1989年までの6年間に本邦において報告された薬疹の症例872例を集録し, 原因薬剤別に系統分類して, 「薬疹情報」VOL21)として編集した。こうして得られたデータをもとに, 性別·年齢, 薬剤別頻度, 病型分類別頻度, 多剤感作薬疹, 薬剤投与開始から発症までの期間, 検査·試験およびその陽性率, 若年者と高齢者における薬疹, 重症型, プロドラッグと薬疹について検討し, 下記の結果を得た。
1. 広範囲の薬剤から重症型を含む薬疹が発症している。薬効大分類別に原因薬剤リストを作成したところ, 上位の薬剤に関して言えば, その占める割合の差が縮小しつつあつた。
2. 加齢とともに薬疹の増加傾向が認められた。年令別にはとくに30歳以上に顕著で, その占める割合は83.8%であつた。
3. 比較的新しい薬剤にて光線過敏症型薬疹が増加している。
4. プロドラッグによる薬疹の報告が散見される。
という近年の傾向が明らかとなつた。
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© 1991 日本皮膚科学会西部支部
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