西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
統計
熊本県における全身性強皮症の疫学調査
—第1報 医療施設に対する調査—
前川 嘉洋伊藤 寿樹中村 佳代子野上 玲子
著者情報
ジャーナル 認証あり

1991 年 53 巻 4 号 p. 774-779

詳細
抄録

熊本県における全身性強皮症(PSS)の実態を知る目的で県内248医療施設に郵送による疫学調査を行った。1次調査の回答率は100%で, 患者のいる23施設に2次調査を施行し97.1%の回収率を得た。調査期間は1988年7月より1989年6月までとした。熊本県のPSS患者は80名(男子9, 女子71)で男女比1:7.9, 新患15名, 再来患者65名であった。1988年10月1日現在の熊本県の推定人口によると有病率は入口10万対4.34(男子1.03, 女子7.34), 罹患率0.82(男子0.11, 女子1.45)であった。受診施設では大学病院31.1%, 国公立病院43.3%, 診療所16.7%で, 受診科目では皮膚科57.3%, 内科38.2%の順であった。主要症状で陽性率の高かったのはレイノー症状, 抗核抗体, 強指症, 組織学的硬化, 近位部硬化の順であった。治療としては血管拡張剤が最も頻用され, 次いで副腎皮質ホルモン剤, 消炎鎮痛剤の順であった。

著者関連情報
© 1991 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top