西日本皮膚科
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治療
そう痒性皮膚疾患に対する塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)の臨床評価
アゼプチン研究班
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1992 年 54 巻 3 号 p. 584-594

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抄録

皮膚科診療所(85医療機関)を訪れた蕁麻疹, 湿疹·皮膚炎, 皮膚そう痒症, 痒疹などのそう痒性皮膚疾患817例を対象として塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)の臨床効果, 安全性, 有用性について検討した。蕁麻疹156例, アトピー性皮膚炎176例, その他の湿疹·皮膚炎260例, 皮膚そう痒症65例, 痒疹8例, その他の皮膚疾患5例の合計670例の成績は, 有用度において, 「極めて有用」と「有用」を合わせると, 蕁麻疹では72.4%, アトピー性皮膚炎では67.2%, その他の湿疹·皮膚炎では84.0%, 皮膚そう痒症では73.8%, 痒疹では62.5%, その他の皮膚疾患では60.0%であった。各症状に対しては, そう痒に対して有効で, 効果は早期に現れた。副作用は817例中28例(3.43%)にみられたが, ほとんどが眠気で, 重篤な副作用は認められなかった。以上の結果から本剤は皮膚科診療所におけるそう痒性皮膚疾患の治療において有用な薬剤と言えよう。

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© 1992 日本皮膚科学会西部支部
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