西日本皮膚科
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54 巻, 3 号
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図説
症例
  • 久保田 由美子, 今山 修平, 三原 公彦, 安元 慎一郎, 村上 義之, 堀 嘉昭, 宇座 達也
    1992 年 54 巻 3 号 p. 429-433
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    症例は84歳男子。沖縄県宮古島在住。喘息発作に対するコルチコステロイド剤の大量長期投与による免疫不全を背景にして発症したと考えられるKaposi肉腫の1例を経験した。暗紫褐色の病変が左足背に初発し, 漸次上行性に拡大して下腿にも病変をつくるとともに左上肢にも浸潤局面と多発性結節を形成し, 臨床·組織学的にKaposi肉腫の典型例と考えられた。喘息発作に対するコルチコステロイド剤投与継続中は病変の拡大をみたが, 一方で下腿の結節性病変の退縮が認められた。免疫組織学的検討により腫瘍を構成する紡錘形細胞の多くにXIIIa因子を表現した組織球とみなされる細胞の混在が認められた。以上の臨床経過と組織学的所見は本腫瘍の非腫瘍性側面を示すものと考えられた。
  • 田村 治子, 出来尾 哲
    1992 年 54 巻 3 号 p. 434-436
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    23歳男子の前頸部に限局したsyringomaの1例を報告した。前頸部という発症部位に加え, 紅色ないし黄色の丘疹で, 一部に融合傾向がみられたことから, 臨床的にはpseudoxanthoma elasticumが最も強く疑われた。しかし, 予想に反し, その病理組織は典型的なsyringomaであった。Syringomaの好発部位は眼瞼が最も多く, 次いで胸部, 腹部である。頸部に生じた症例も少なくないが, その場合には, 胸部, 腹部などにも広範にわたって皮疹が存在することがほとんどであり, 本症例のように頸部に限局した症例は稀である。
  • 田代 研児, 今山 修平, 野田 淳子, 堀 嘉昭, 大島 孝一, 竹下 盛重, 菊池 昌弘
    1992 年 54 巻 3 号 p. 437-442
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    36歳男性及び17歳女性のcytophagic histiocytic panniculitisと考えられる2例を報告するとともに, 免疫組織学的検討を加えた。臨床的には, 発熱などの全身症状を伴う体幹·四肢を中心とした多発性皮下結節を呈した。表在リンパ節腫脹, 肝脾腫, 白血球·血小板減少, 肝障害, 凝固系異常を認めた。組織学的には, 成熟組織球と軽度核異型のあるリンパ球の浸潤を伴う非化膿性脂肪織炎で, 組織球の血球貪食像は, 皮膚, 肝, リンパ節に認められた。免疫組織学的に, 浸潤リンパ球はT細胞形質を示し, 組織球はlysozyme, α-1 anti-chymotrypsinに陽性像を示した。症例2の皮下腫瘤に対してT-cell receptorβ鎖遺伝子の再構成の検索を施行したが, rearranged bandsは出現しなかった。本例と悪性リンパ腫, 悪性組織球症, Weber-Christian病との関連性も不明な点があり本症の本態を究明するため, 今後更に集積された症例による分析が必要と思われた。
  • 野田 佳子, 柴田 郷子, 一木 幹生, 林 紀孝, 利谷 昭治
    1992 年 54 巻 3 号 p. 443-447
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    83歳男性の左上腕内側に生じたMerkel cell carcinomaの1例を報告した。組織学的に腫瘍細胞はtrabecular patternを示し, NSE染色, EMA染色にて陽性であり, 電顕的検索で胞体内に68∼145nmの電子密度の高い顆粒を認めた。腫瘍の辺縁より2.5cm離して切除し植皮を行った。以後約1年半を経過しているが, 再発および転移は認められない。自験例を含め本邦で報告されたMerkel cell carcinoma52例について文献的考察を行った。
  • 渋谷 博美, 片桐 一元, 新海 浤, 高安 進
    1992 年 54 巻 3 号 p. 448-452
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    初診の7, 8年前より夏期増悪を示す上肢の壊疽性丘疹状結核疹, 初診の3ヵ月前には下腿にバザン硬結性紅斑を生じた57歳女性の看護助手の1例を報告した。病理組織像では, 瘢痕を残して治癒する上肢の多発性丘疹は, 中心部では表皮が欠損し真皮上層より皮下脂肪織では環状の壊死組織を囲んで類上皮細胞, リンパ球の浸潤がみられた。下腿の硬結では皮下脂肪織の隔壁に結合織の壊死, それを囲んで巨細胞を混じた同様の細胞浸潤, 個々の脂肪細胞間に組織球の浸潤がみられた。ツ反は強陽性であり, 数日後, 紅斑周囲に丘疹を生じた。胸部X線にて陳旧性瘢痕像が認められた。イソニアジド, エタンブトール内服1ヵ月後に皮疹の新生を認めなくなり, 下腿の硬結も色素沈着を残して軽快した。しかし, 薬剤を内服しないことが多くなり, 感冒を契機として皮疹の再燃をみた。現在リファンピシン内服中である。これら二種の結核疹の合併例は, 本邦では最近20年間で自験例を含めて10例の報告がある。その内2例に明らかな活動性結核病巣が発見され, 3例に頸部リンパ節腫脹, 2例に胸部X線にて瘢痕像が認められている。
  • 飯島 茂子
    1992 年 54 巻 3 号 p. 453-457
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    アムシノニド, ブデソニド, 吉草酸ベタメタゾンによるアレルギー性接触皮膚炎の32歳男子例を報告した。メカニズム的にはアムシノニドで感作が成立した後, ブデソニト, 吉草酸ベタメタゾンの交叉感作反応が起きたと考えられた。アムシノニドとブデソニドの交叉反応は, その化学構造式中でD環の16α, 17α-cis diolを保護した部分構造が, ほぼ同じ立体空間を占めることが関係していると考えられた。ブデソニドと吉草酸ベタメタゾンの交叉反応は, ブデソニドのブチリデン残基と吉草酸ベタメタゾンの17α位の吉草酸エステル部分の構造が立体化学的に類似した構造であるためと考えられた。ブデソニドが, アムシノニドにも吉草酸ベタメタゾンにも交叉反応を示すのは, ブチリデン部分にtransoid及びcisoidの幾何異性体が存在することと関係していると推測された。初めての外用ステロイド剤の感作成立には, 17α位につく残基として炭素数4つ以上の大きさであることが重要であると考えられた。一度感作を受けた個体は, D環17α位の立体構造の類似性に応じて次々に感作が広がっていくことが予想された。
  • 篭浦 正順, 高橋 省三, 諸橋 正昭
    1992 年 54 巻 3 号 p. 458-462
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    16歳女性。4歳頃に両側手背, 肘, 腰部, 膝, 足背に紅斑が出現し, 徐々に角質肥厚を伴うようになった。10歳頃に体幹, 顔面, 大腿に境界明瞭な紅斑が出現するようになり, その紅斑は1日∼1週間程度で消失, 再燃を繰り返していた。特徴的臨床症状より本症例をerythrokeratodermia variabilisと診断した。皮疹は月経周期で寛解, 増悪を繰り返し, 卵胞期には改善したが, 黄体期には増悪したことより, 性ホルモン, 特にエストロゲンが皮疹の変動に関与していると思われた。エトレチナート, 1日10mg∼20mgの投与で, 変動性紅斑は出没を繰り返していたが, 潮紅性角化局面はその角質肥厚の減少が認められた。
  • 伊藤 寿樹, 前川 嘉洋, 野上 玲子
    1992 年 54 巻 3 号 p. 463-467
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    55歳女子の尋常性乾癬の経過中に原発性胆汁性肝硬変を合併した1例を報告した。尋常性乾癬に対し, エトレチナートにて治療中, 肝機能異常(トランスアミナーゼより, ALP, LAP, γ-GTP等の胆道系酵素優位の上昇)が出現した。抗ミトコンドリア抗体陽性にて内科に転科後, 肝生検にて慢性非化膿性破壊性胆管炎の所見を認め原発性胆汁性肝硬変と診断された。検索し得た限りでは, 両疾患の合併の報告は認められなかった。
  • 羽金 重喜, 勝岡 憲生, 横関 博雄, 細田 のぞみ, 横田 行史
    1992 年 54 巻 3 号 p. 468-472
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    Growth hormone neurosecretary dysfunction(GHND)に基づく小人症にみられたacanthosis nigricans(A.n.)の1例を経験した。症例は12歳男児で, 生下時より部分的に黒褐色·粗造な皮膚を有し, 4歳頃より成長障害が明らかとなった。患児はGHNDに基づく成長障害と診断された。GHNDとは, 常に睡眠時の生理状態に似た成長ホルモン分泌の低下があり, 分泌刺激に対してはある程度反応しうる病態を表現した新しい概念である。自験例は内分泌障害を伴ったgenodermatosisとしてのA.n.と診断した。
  • —とくに皮膚症状である捻転毛と白毛について—
    富田 靖, 吉村 達雄, 根東 義明, 五十嵐 裕, 伊藤 祥輔
    1992 年 54 巻 3 号 p. 473-479
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    6ヵ月男児のメンケス病の一例を報告した。本例は低血清銅値と低セルロプラスミン値, 発育不良, 筋痙攣発作などの典型的症状を示した。皮膚症状としては, 頭髪の低色素ないし白髪と捻転毛を示した。これら諸症状は, 銅利用の先天的な欠陥が引き起こした銅酵素群の活性低下によるものである。頭髪のユウメラニンおよびフェオメラニン含量は健常人の半分程度で, 銅酵素であるチロシナーゼの活性低下が示唆された。乳幼児に白髪や捻転毛を示す疾患は限られており, これら頭髪の症状の出現は本症の診断に重要な意味を持つと考える。
  • 筒井 清広, 木村 悟, 村田 久仁男, 広根 孝衞
    1992 年 54 巻 3 号 p. 480-483
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    光線過敏症を示し, 内臓悪性腫瘍を合併した皮膚筋炎の2例(66歳男性, 48歳男性)を報告した。さらに, 1979年から1990年までの間に金沢大学医学部附属病院皮膚科において観察された22例について光線過敏症と内臓悪性腫瘍合併の関連について検討した。光線過敏症は10例(45%)にみられ, そのうち5例(50%)に内臓悪性腫瘍の合併が認められた。また, 22例について主要な臨床症状および検査成績の各項目陽性群と陰性群における内臓悪性腫瘍の合併頻度を求め, χ2検定により比較した。その結果, 光線過敏症陽性群では同陰性群に比べて内臓悪性腫瘍の合併頻度が有意に高く, 四肢関節伸側の紅斑陽性群では同陰性群に比べて内臓悪性腫瘍の合併頻度が高い傾向が認められた。
  • 長谷川 順一, 前田 直徳, 神埼 保
    1992 年 54 巻 3 号 p. 484-486
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    74歳, 女性。初診の1年前から左肩の腫瘤に気づいていた。初診の数週間前から腫瘤の一部が隆起してきたので皮膚科を受診。初診時, 左肩に境界明瞭な弾性軟の皮下腫瘤があり, その一部が軟らかく隆起していた。病理組織検査で隆起していた部分は, 表在性脂肪腫性母斑, 皮下腫瘤は脂肪腫の所見であった。本症例の特徴は, 高齢者の表在性脂肪腫性母斑様の組織像の形成機序が腫瘍性であることを支持するものと考えた。
研究
  • 佐藤 俊宏, 高崎 修旨, 寺師 浩人, 倉田 荘太郎, 本多 朋仁, 村上 勇, 藤原 作平, 新海 浤, 高安 進
    1992 年 54 巻 3 号 p. 487-490
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    今回われわれは神経線維腫との鑑別を要する隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)の1例を経験したので報告する。あわせて本例及びDFSP 4例, 神経線維腫4例におけるVI型コラーゲン及びラミニンの発現を, 免疫組織化学的に比較検討した。結果は次の通りであった。(1)本例ではVI型コラーゲン, ラミニンとも存在した。(2)DFSP 4例のうち, 1例にVI型コラーゲン, 全例にラミニンが存在した。(3)神経線維腫4例中全例にVI型コラーゲン及びラミニンが存在した。これらの結果の意義につき考案を加えた。
  • 安斎 真一, 穂積 豊, 麻生 和雄
    1992 年 54 巻 3 号 p. 491-499
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    16例の皮膚混合腫瘍について臨床的, 病理組織学的, 免疫組織化学的検討を行った。病理組織学的に本腫瘍をtubulo-cystic type(TC型)とsyringomatous type(SYR型)に分類した。TC型は13例, SYR型は1例, 両者の合併は2例であった。TC型では管腔内側細胞の断頭分泌, 角質嚢腫や脂腺細胞分化がみられたが, SYR型ではみられなかった。このことはTC型がアポクリン腺に, SYR型がエクリン腺に近いことを示す所見と考えられた。間質の変化では, 軟骨様変化は16例中10例(62.5%)にのみみられ, 他の多くの例では粘液様変化が主体であった。17種の抗体を用いた免疫組織化学的検索ではTC型はアポクリン腺分泌部に, SYR型はエクリン腺分泌部に近い所見であった。管腔外側細胞, 間質細胞, hyaline cell, 軟骨細胞様細胞では上皮性, 間葉性, 神経性の性質が一緒に発現されていると考えられた。
  • 中山 樹一郎, 堀 嘉昭
    1992 年 54 巻 3 号 p. 500-506
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    エトレチナート(芳香族レチノイド)を乾癬患者に内服投与し, その臨床効果と末梢血Tリンパ球サブセットの変動についてLeuシリーズの単クローン抗体で分析した。乾癬患者血中のTリンパ球のサブポピュレーションではhelper/inducer T細胞の占める割合が正常人にくらべ有意に高く, エトレチナート投与後6週間までhelper/inducer T細胞とsuppressor/cytotoxic T細胞の比率が上昇した。この傾向はエトレチナートにより著効を示した症例に顕著で, 無効例ではその変動は認められなかった。エトレチナートによる臨床症状の改善に伴い乾癬患者末梢血中のTリンパ球のサブセットの比率に何らかのエトレチナートの直接的あるいは間接的な作用による変動が生ずることが考えられた。
  • 水野 栄二
    1992 年 54 巻 3 号 p. 507-512
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    Epidermoid cystの炎症機序を考える目的で, 臨床的な炎症の有無と細菌培養結果との関連を調べたが相関性がみられなかった。このことより細菌が炎症に関して中心的な役割を果たしているとは考えられなかった。次に異物肉芽腫反応とケラチンの関連を, 組織学的に抗ケラチン抗体を用いたPAP法で調べたが, 巨細胞の胞体内に陽性物質が高頻度に認められ, 肉芽腫反応に対するケラチンの関与が示唆された。さらにこの点を検討するために, マウスを用いた実験で爪·表皮を材料にして異物肉芽腫の作製を試みた。その結果, 爪成分で異物肉芽腫を作製することができたが, 表皮成分ではほとんど肉芽腫を作製できなかった。以上の結果より炎症機序にはケラチンに対する異物反応が重要と思われた。
  • 古賀 哲也, 今山 修平, 橋爪 民子, 古村 南夫, 今福 信一, 堀 嘉昭
    1992 年 54 巻 3 号 p. 513-519
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    66歳女子の金チオリンゴ酸ナトリウム計350mg投与後に生じた脂漏性皮膚炎型薬疹について以下の検討を行った。同薬剤によるパッチテストは陽性であったが, リンパ球幼若化試験は陰性であった。組織学的に皮疹部位では, 表皮に細胞間浮腫, リンパ球の表皮内浸潤, 真皮上層に主として血管周囲性のリンパ球と好酸球の浸潤がみられた。免疫組織学的には表皮細胞間にHLA-DR抗原の発現がみられ, また真皮の浸潤細胞の主体は, CD4陽性T細胞であった。パッチテスト部位の組織学的所見も皮疹のそれとほぼ同様であった。患者末梢血単核球を同薬剤の存在下で72時間培養した。培養上清中には, IFN-γと好酸球遊走活性が認められた。以上より本症例では皮疹発現の過程に薬剤特異的T細胞から産生されたサイトカインが関与している可能性が示唆された。
講座
統計
  • 楢原 進一郎, 黒川 基樹, 井上 勝平
    1992 年 54 巻 3 号 p. 532-538
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    過去11年間の広範囲熱傷患者39例の創面, 喀痰, 尿, 血液からの検出菌を検討した。全検体中, グラム陽性菌では, S. aureus, Enterococcusの検出頻度が高く, グラム陰性菌では, P. aeruginosa, K. pneumoniae, Enterobacterが高頻度であり, 経年的には大きな変化は認められなかった。検体別にみると, 創面と喀痰からの分離菌相は類似していたが, 尿ではグラム陰性菌, 真菌の検出頻度が高く, かなりの相違がみられた。抗生物質に対する感受性は各菌種とも明らかな経年的低下傾向はなかった。また, S. aureus, P. aeruginosaでは受傷2週以内に比べ3週以降での耐性菌検出率が増加していた。
治療
  • —トラニラストを対照薬とした二重盲検比較試験—
    レピリナスト皮膚科研究会
    1992 年 54 巻 3 号 p. 539-553
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    レピリナスト(M群)のアトピー性皮膚炎に対する有用性を検討するため, すでに有用性が確認されているトラニラスト(T群)を対照薬とする多施設二重盲検比較試験を全国27施設において実施し, 以下の成績を得た。
    1)総症例217例(M群: 107例, T群: 110例)の内, 開始日以降来院しなかった9例は完全除外, 残りの208例(M群: 105例, T群: 103例)を概括安全度の解析対象とした。さらに, 試験規約違反例などを除いて, 最終全般改善度は170例(M群: 84例, T群: 86例)を, 有用度は175例(M群: 87例, T群: 88例)を解析対象とした。患者背景については, すべての項目で両群間に有意な偏りはなかった。
    2)皮膚所見の段階改善度の推移及び経時的全般改善度については, いずれの週においても両群間に有意差はなかった。
    3)最終全般改善度については, 「改善」以上でM群52.4%, T群48.8%で両群間に有意差はなかった。
    4)概括安全度についてはM群では「安全性に問題なし」が96例(91.4%), 「安全性にやや問題ある」が8例(7.6%), 「安全性にかなり問題ある」が1例(1.0%)で, T群では「安全性に問題なし」が101例(98.1%), 「安全性にやや問題ある」が2例(1.9%)で両群間に有意差が認められた(U検定, p=0.033)が, 副作用発現率においては, M群8.6%, T群1.9%で両群間に有意差はなかった(Fisherの直接確率計算法)。
    5)有用度については, 「有用」以上でM群47.1%, T群47.7%であり, 両群間に有意差はみられなかった。
  • —ヘパリン類似物質軟膏を対照とした二重盲検比較試験—
    トラニラスト研究班
    1992 年 54 巻 3 号 p. 554-571
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    ケロイドおよび肥厚性瘢痕患者279例を対象に, ヘパリン類似物質軟膏を対照薬として, 二重盲検比較試験によりトラニラストの有用性を検討した。有効性に関しては, 自覚症状改善度, 他覚症状改善度および全般改善度ともTR(トラニラスト細粒剤+プラセボ軟膏)使用群がHO(プラセボ細粒剤+ヘパリン類似物質軟膏)使用群に比し有意(p<0.01)に優れていた。中等度改善以上の改善率は, 自覚症状改善度でTR群54.5%, HO群29.3%, 他覚症状改善度でTR群47.9%, HO群22.4%であった。また, 全般改善度では, TR群56.2%, HO群26.7%であった。症状別に改善率をみると, TR群ではそう痒が約50%と最も高く, 他の症状でも30∼40%の改善率がみられた。副作用発現率は, ヘパリン類似物質軟膏が2.4%に対しトラニラストは8.7%であったが, いずれも各々のプラセボによる副作用の発現率との間に著しい差はなく, 内容的にも重篤なものではなかった。有用性では, TR群がHO群に比し有意(p<0.01)に優れていた。有用以上の有用率は, TR群で54.0%, HO群で24.1%であった。以上, トラニラストはヘパリン類似物質軟膏に比べ, ケロイドおよび肥厚性瘢痕治療剤として明らかに有用な薬剤であることが確認された。
  • 大畑 恵之, 中山 秀夫, 藤澤 龍一, 飯島 正文, 中田 土起丈, 北村 啓次郎, 飯泉 陽子, 石丸 咲恵, 中山 佳代子, 菅原 信 ...
    1992 年 54 巻 3 号 p. 572-578
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    スレンダム®軟膏(スプロフェン軟膏)をステロイド皮膚症の31例, アトピー性皮膚炎·脂漏性湿疹·皮脂欠乏性湿疹などの皮膚炎の31例について使用し, その有用性を検討した。有用性は前者が77.4%, 後者が66.7%であり, スレンダム軟膏はステロイド皮膚症の治療におけるステロイド外用剤からの離脱, 顔面·頚部などステロイド皮膚症の生じやすい部位に対する皮膚炎の治療に有用と思われた。
  • 高木 裕子, 岩谷 麻子, 野村 和夫, 橋本 功, 秋田 尚見
    1992 年 54 巻 3 号 p. 579-583
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    老人性皮膚そう痒症30例(57∼86歳, 平均年齢70.7歳)につきterfenadineの治療効果を検討した。中等度以上の改善を示したのは25例(83%)であり, 副作用として発疹が1例(3%)にみられた。有用性を総合的に判定したところ, 有用以上の有用率は, 83%であった。以上の結果よりterfenadineは, 老人性皮膚そう痒症に対して優れた治療剤であると思われた。
  • アゼプチン研究班
    1992 年 54 巻 3 号 p. 584-594
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    皮膚科診療所(85医療機関)を訪れた蕁麻疹, 湿疹·皮膚炎, 皮膚そう痒症, 痒疹などのそう痒性皮膚疾患817例を対象として塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)の臨床効果, 安全性, 有用性について検討した。蕁麻疹156例, アトピー性皮膚炎176例, その他の湿疹·皮膚炎260例, 皮膚そう痒症65例, 痒疹8例, その他の皮膚疾患5例の合計670例の成績は, 有用度において, 「極めて有用」と「有用」を合わせると, 蕁麻疹では72.4%, アトピー性皮膚炎では67.2%, その他の湿疹·皮膚炎では84.0%, 皮膚そう痒症では73.8%, 痒疹では62.5%, その他の皮膚疾患では60.0%であった。各症状に対しては, そう痒に対して有効で, 効果は早期に現れた。副作用は817例中28例(3.43%)にみられたが, ほとんどが眠気で, 重篤な副作用は認められなかった。以上の結果から本剤は皮膚科診療所におけるそう痒性皮膚疾患の治療において有用な薬剤と言えよう。
  • 神奈川地区アゼプチン臨床研究班
    1992 年 54 巻 3 号 p. 595-602
    発行日: 1992/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    神奈川地区63施設の共同研究により, アゼプチン®の蕁麻疹, 湿疹·皮膚炎, 皮膚そう痒症, 痒疹に対する有用性を検討した。総症例数は911例で結果は下記の通りであった。
    (1)最終全般改善度における改善率(「改善」以上)は蕁麻疹で82.4%, 湿疹·皮膚炎群で79.5%, 皮膚そう痒症で69.6%, 痒疹で72.7%と各疾患において高い改善率を示した。また, 全疾患の累計でも79.0%と高い改善率が得られた。
    (2)副作用の発現は3.2%(29/911)であった。その大部分が眠気で, 重篤な副作用は認められなかった。
    (3)有用度は最終全般改善度と同様の傾向を示した。「有用」以上の有用率は蕁麻疹で81.9%, 最も症例の多かった湿疹·皮膚炎で78.9%, 皮膚そう痒症で70.9%, 痒疹で75.8%と各疾患で高い有用率を示した。全疾患の累計では有用率は78.7%であった。
    以上より, 本剤は各種そう痒性皮膚疾患に対し有用性の高い抗アレルギー剤であることが立証された。
世界の皮膚科学者
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