1993 年 55 巻 3 号 p. 468-475
CCDカメラ内蔵のビデオマイクロスコープを用いて取り込んだ正常·病変部皮膚デジタル画像のRGB情報を用いて皮膚色の定量的解析を試みた。測定部位画像内のRGB輝度それぞれの平均値を用いて, 各バンドにおける皮膚の吸光度類似値を計算し, これを元に紅斑指数·メラニン指数を定めた。in vitroでの計測では, 前者はヘモグロビン溶液濃度, 後者はメラニン溶液濃度と実用範囲で線形に相関し, しかも両指数間の相互の影響は少なかった。紫外線紅斑·色素沈着を用いたin vivoの計測でも分光光度計測機器による紅斑指数, メラニン指数と強く線形に相関した。したがって, この方法は十分皮膚色の定量に応用できる。しかも測定したい部位を画面上から選べるため, 小さな皮疹の色測定ができ, 皮疹の色を構成画素の色にまで分解できるため色ムラについての情報も得られる, など通常の反射分光光度計や色沢計にない利点がある。