西日本皮膚科
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治療
脱毛症に対するSquaric Acid Dibutylester(SADBE)外用療法
蜂須賀 裕志森 理前田 伴幸笹井 陽一郎
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1994 年 56 巻 1 号 p. 105-108

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抄録

19例の多発性円形脱毛症および全頭脱毛症の患者についてsquaric acid dibutylester(SADBE)の外用療法を行い, その臨床効果について検討を行った。2%SADBEアセトン溶液にて感作し, 0.001%から1.0%の濃度のSADBEを週に1度外用した。13例では著効を呈し, 11例は頭髪の完全な再生が認められた。しかし, そのうちの5例は脱毛が再発した。発毛が見られるまでの治療期間は4から24週であった。6例では24から56週の外用期間では発毛は見られず, 無効と判定した。SADBEの局所外用療法は円形脱毛症および全頭脱毛症に対する有効な治療法と考えられる。

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© 1994 日本皮膚科学会西部支部
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