西日本皮膚科
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症例
6年後に局所皮弁上にMalignant Melanomaを生じたMalignant Melanoma in situ
石井 義輝寺師 浩人倉田 荘太郎橋本 裕之園田 忠重板見 智高安 進本多 朋仁
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1994 年 56 巻 1 号 p. 75-79

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抄録

足底踵部に発症したmalignant melanoma in situ(MM in situ)の切除6年後に, 再建に用いた局所皮弁上にmalignant melanoma(MM)が発症した, 65歳の女性の症例を報告した。1984年頃に生じた右足底踵部の色素斑を主訴として1985年当科受診, 生検を行った後, 辺縁5mm離し切除した。病理組織学的には表皮基底層を中心に異型のあるメラノサイトが増殖して胞巣を形成していた。1991年4月, 前回手術時に踵部の再建に用いた皮弁上に結節が出現した。Excisional biopsy施行しMM(Clark’s level IV, tumor thickness 3.5mm)と診断した。拡大切除およびリンパ節郭清術を施行した(術後診断: pT3bN0M0, Stage II)。DAV-feron療法(DTIC, ACNU, VCR, IFN-β), BCG内服を行い, 術後13ヵ月時点で再発·転移を認めない。自験例におけるMM in situの診断·治療の問題点と, 局所皮弁上に生じた病巣と原発巣との関連について考察した。

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© 1994 日本皮膚科学会西部支部
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