西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
研究
神経線維腫における癌遺伝子c-fosと塩基性線維芽細胞増殖因子の発現についての検討
中山 樹一郎占部 篤道太田 浩平堀 嘉昭
著者情報
ジャーナル 認証あり

1994 年 56 巻 2 号 p. 262-266

詳細
抄録
von Recklinghausen病(neurofibromatosis)の神経線維腫には血管内皮細胞以外にマクロファージに一致して塩基性線維芽細胞増殖因子の局在が観察された。本増殖因子の神経線維腫増殖への関与の作用メカニズムを検討する目的で癌遺伝子c-fosが本腫瘍に発現されているかどうかを抗c-fos抗体を用いて免疫螢光染色法にて観察した。その結果, 腫瘍巣および腫瘍辺縁の間質に核が強陽性に染色される細胞が多数観察された。本腫瘍における癌遺伝子c-fosの発現の意義は現時点では不明であるが, 神経線維腫細胞の分化, 増殖に何らかの関与があるものと推測された。
著者関連情報
© 1994 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top