1994 年 56 巻 2 号 p. 346-350
帯状疱疹患者42例にビダラビン(9-β-D-arabinofuranosyladenine, アラセナA®)を投与し, その有効性を検討した。FITC標識抗VZV(varicella-zoster virus)マウスモノクローナル抗体(イムチェック-VZV®, 第一化学薬品)を用いた蛍光抗体法により, 病変部のVZV抗原を検出し検討した。(1)アラセナA®300∼600mg/日を3∼7日間点滴静注した。(2)最終診断日での皮疹改善度は100%, 神経症状を含めた全般改善度は85.7%, 有用度はかなり有用以上が78.6%, 安全度は全例が「安全である」であった。(3)投与前VZV抗原陽性率は34例中29例(85.3%)であった。(4)発疹形態別にみたVZV抗原陽性率は, 膿疱91.3%, 水疱86.4%, 痂皮60%であった。