西日本皮膚科
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治療
多施設による皮膚疾患に対する塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)の臨床研究
堀内 早苗
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1994 年 56 巻 3 号 p. 542-547

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抄録

茨城県内の2大学附属病院と基幹病院を中心とした16施設で, 塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)のそう痒性皮膚疾患に対する共同臨床研究を実施した(表1)。対象疾患および症例数は, 蕁麻疹110例, 湿疹·皮膚炎133例, 皮膚そう痒症75例, 痒疹13例の合計330例である(表2)。全般改善度はいずれも75%以上の改善度を認めた。とくに蕁麻疹では高く, 皮膚症状としてそう痒, 膨疹, 紅斑において投与2週間後の改善が著明であり, 急性のみならず, 慢性蕁麻疹においても改善を認めた。副作用は330例中18例20件認められ, 眠気が4例でそのほとんどが軽度, 中等度であり重篤なものではなかった。有用度(「きわめて有用」「有用」)はいずれも75%以上でありそう痒性皮膚疾患に対して塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)は有用な治療薬であると考えられた。

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© 1994 日本皮膚科学会西部支部
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