西日本皮膚科
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症例
Eosinophilic Cellulitis(Wells症候群)
—Hypereosinophilic Syndromeとの境界例—
駒田 信二工藤 芳子板見 智
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1995 年 57 巻 2 号 p. 241-246

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抄録

Eosinophilic cellulitis(Wells症候群)の1例を報告した。顔面, 手掌·足底を含む全身に浮腫性紅斑, 浸潤を伴う丘疹が出現, 一部では膿疱, 潰瘍を生じ, 皮膚生検後著明に増悪し蜂窩織炎様となった。病理組織学的所見は急性期には真皮の密な好酸球浸潤を, また軽快期には真皮膠原線維の変性および好酸性顆粒状物質の沈着を認めた。検査所見では末梢血·骨髄中の好酸球の増加および肝機能障害と, 腹部超音波検査にて多発する低エコー領域を認めた。プレドニゾロン40mg/dayの内服に反応せず, メチルプレドニゾロン500mg/dayによるミニパルス療法にて皮疹, 肝症状ともに軽快した。他臓器障害を伴ったことから, hypereosinophilic syndromeなどとの鑑別が問題となると思われたが, 特徴的な病理組織学的所見よりeosinophilic cellulitisと診断した。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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