西日本皮膚科
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治療
表皮移植術によって治療した尋常性白斑の長期予後
森 誠一水足 久美子影下 登志郎小野 友道
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1995 年 57 巻 2 号 p. 299-303

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抄録

尋常性白斑に対してsuction blisterを用いて表皮移植術を行った群10例の治療終了約10年後の状態および満足度をその他の治療(主としてPUVA, 副腎皮質ステロイド外用)による群の約2∼11年後のそれと比較検討した。両群間で年齢, 病悩期間, 観察期間, 病型など背景因子に有意差を認めなかった。表皮移植術は10例中7例で有効で, 「ほぼ治癒」および「治癒」の症例は10例中5例あった。一方他の治療群ではそれぞれ15例中10例, 3例であった。病型別および初診時の拡大傾向の有無別に表皮移植群とその他の治療群を検討した結果, 表皮移植術は白斑拡大傾向がない症例やsegmental typeに対しては非常に有用であり, 術後の満足度は他の治療に比べ高いことがわかった。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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