西日本皮膚科
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治療
オルセノン®軟膏の皮膚潰瘍に対する臨床評価
橋爪 鈴男窪田 泰夫溝口 昌子徳橋 至千葉 紀子岩田 博生松井 新森田 誠碇 優子鈴木 秀美山本 百合子鯵坂 義之芹川 宏二
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1995 年 57 巻 2 号 p. 357-365

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抄録

オルセノン®軟膏はトレチノイントコフェリル(レチノイン酸とDL-α-トコフェロールがエステル結合した物質)を含有する乳剤性軟膏であり, 肉芽形成促進作用, 血管新生促進作用を有する。今回聖マリアンナ医科大学および6関連施設において, 褥瘡, 熱傷潰瘍, 下腿潰瘍, 糖尿病性潰瘍および難治性潰瘍の23症例に対してオルセノン軟膏を原則として6週間投与し, 有効性と安全性の検討を行った。その結果最終全般改善度において85%に改善以上の効果が得られ, 有用性判定では85%が有用と判断された。副作用は認められなかった。本剤は肉芽形成, 表皮形成および分泌物の軽減などの効果に優れ, 長期使用も可能であり, 各種の皮膚潰瘍に対して安全性の高い薬剤であると評価された。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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