西日本皮膚科
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症例
Vesiculobullous SLE
山岸 雄二村田 久仁男大槻 典男
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1995 年 57 巻 3 号 p. 449-453

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抄録

43歳の男性のvesiculobullous SLEの1例を報告した。約7週間前より, 顔面, 体幹, 四肢に紅斑と紅斑の辺縁に環状配列する小水疱が出没していた。口腔内に小水疱, 多関節炎, 日光過敏, 眼の乾燥症状も認めた。検査所見でリンパ球減少, 抗核抗体陽性, 抗DNA抗体高値, 抗SS-A抗体高値, 補体低下を認めた。病理組織学的には好中球浸潤を伴った表皮下水疱と, 真皮上層に壊死性血管炎がみられた。蛍光抗体法では, 直接法で基底膜部にIgG, IgA, IgM, C3が線状に沈着し, 間接法で抗基底膜抗体80倍を認めた。また, 1M NaClによる剥離皮膚を用いた間接法では, IgGが真皮側に線状に沈着していた。プレドニゾロンとニコチン酸アミドの内服併用で少数の紅斑の出没があるものの, 水疱の新生はなく, 全身状態も良好にコントロールされている。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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