西日本皮膚科
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治療
塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)のそう痒性皮膚疾患に対する臨床効果
—塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)とフマル酸クレマスチンの有用性の比較—
西村 正幸木村 秀人駒田 信二高崎 修旨亀山 明河野 昭彦瀬口 俊一朗高野 廣英局 幹夫藤井 義久古屋 秀樹宮野 辰彦山本 貴弘
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1995 年 57 巻 3 号 p. 572-579

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抄録

痒みを伴う各種炎症性皮膚疾患の治療における抗アレルギー剤塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)と抗ヒスタミン剤フマル酸クレマスチンの有用性について比較検討した。全体にアゼプチン®はフマル酸クレマスチンより高い有用性を示し, アゼプチン®とフマル酸クレマスチンの有用性の差は週数を増す毎に顕著となり, 疾患別にみるとアトピー性皮膚炎, 慢性湿疹, 脂漏性皮膚炎といった慢性の経過をとる疾患において有用性の差が顕著であった。フマル酸クレマスチン投与群に比べて, アゼプチン®投与群において著明改善の比率が非常に高く, この差は両者の薬効の切れ味の違いを反映するもので臨床使用にあたりきわめて重要と考えられた。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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