抄録
われわれは過去5年間に壊疽性膿皮症の5例を経験した。大動脈炎症候群を合併した37歳の女性, クローン病を合併した32歳の女性, 慢性関節リウマチで金療法を受けていた52歳の男性, myelodysplastic syndromeを合併した57歳と61歳の男性で, いずれも下肢に病変を有し副腎皮質ホルモン剤の内服が有効であった。このうち2例では皮膚病変が先行し後に内臓病変(合併症)が確認された。経過観察から皮膚病変の重症度と合併症の病勢は並行しない傾向にあった。発症部位と病歴から皮膚病変の誘因として全例に外的刺激が考えられた。