抄録
熱傷の急性期における塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)の熱傷の進展に対する効果を動物モデルを用いて検討した。背部にsuperficial dermal burn(SDB)を受傷させたラットにアゼプチン®を1mg/kg静脈内投与し, 組織内のLTB4濃度を測定した。その結果, 塩酸アゼラスチン投与群においては組織内LTB4濃度の有意な低下が認められ, 組織学的にも炎症細胞の浸潤の抑制が認められた。このことにより塩酸アゼラスチンは熱傷急性期の炎症を抑制し, 熱傷の進展防止に有用であると考えられた。