西日本皮膚科
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症例
メシル酸カモスタットによるDLE様薬疹
山岸 雄二大槻 典男
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1995 年 57 巻 5 号 p. 1018-1021

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抄録

41歳の男性。約1年2ヵ月前から慢性膵炎でメシル酸カモスタットを内服中。内服開始約4ヵ月後より頭部·顔面·上背·手背に浸潤を触れる紅斑が出現し徐々に増数してきた。臨床検査では白血球増多以外に異常はなかった。組織像は角質増殖, 毛孔性角栓, 表皮肥厚, 基底層の一部に液状変性, 真皮上層の血管周囲と毛包周囲にリンパ球が主体で好酸球の混在した細胞浸潤を認めた。蛍光抗体直接法で毛包基底膜部にC3の細顆粒状沈着がみられた。メシル酸カモスタットによるパッチテストは陰性, スクラッチパッチテストは陽性であった。またメシル酸カモスタットによるリンパ球幼弱化試験も陽性であった。メシル酸カモスタットの使用を中止してステロイド軟膏外用約2ヵ月後に皮疹は消退した。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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