角質増殖型足白癬に対しアトラント
®クリームODT療法(ODTと略)の有効性, 安全性, ならびに有用性についてアトラント
®クリーム単純塗布(SAと略)を対照とし全国17施設の共同研究による電話中央管理法による無作為化比較試験を実施した。(1)総投与症例126例のうち真菌学的効果, 皮膚所見総合判定, 総合効果判定, および有用性は96例(SA群44例, ODT群52例), 安全性評価は112例(SA群54例, ODT群58例)が解析対象であった。(2)最終菌陰性化率はSA群が52.3%, ODT群では75.0%となり両群間に有意な差が認められた。(3)最終皮膚所見総合判定は「改善」以上でSA群が59.1%, ODT群では80.8%となり両群間に有意な差が認められた。(4)最終総合効果判定は「有効」以上でSA群が52.3%, ODT群では73.1%となり両群間に有意な差が認められた。(5)副作用はSA群に54例中1例(発現率: 1.9%), ODT群に58例中1例(1.7%)発現した。症状はSA群の1例は中等度の「そう痒感」, ODT群の1例は中等度の「接触性皮膚炎」であり, いずれも投与中止により軽快しており試験薬剤との関連性は「多分関係あり」と判定された。(6)安全性はSA群が「安全である」96.3%, ODT群では「安全である」96.6%であった。(7)有用性は「有用」以上でSA群が50.0%, ODT群では73.1%となり, 両群間に有意な差が認められた。以上より難治性といわれている角質増殖型足白癬に対しアトラント
®クリームのODT療法は単純塗布より有意に優れており内服薬を併用する必要も無く, 今後試みる価値のある療法であると考えられた。
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