西日本皮膚科
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症例
Lichen Planus Pemphigoides
谷内 克成稲沖 真坂井 秀彰筒井 清広高田 実
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1996 年 58 巻 3 号 p. 395-397

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抄録

74歳の女性。扁平苔癬の皮疹が生じた3ヵ月後に体幹·四肢に緊満性水疱が多発した。病理組織学的には先行した皮疹はlichen planusに一致する所見を呈し, 水疱の部分は表皮下水疱を示した。いずれの皮疹部においても免疫蛍光法直接法では基底膜部にIgG, C3の線状沈着があり, 1 M NaCl処理にて表皮と真皮を分離した皮膚を基質とした免疫蛍光法間接法では表皮側に抗基底膜部抗体が証明された。以上の所見からlichen planus pemphigoides(LPP)と診断した。免疫ブロット法による解析で180 kdの表皮蛋白との反応がみられたことから本例における標的抗原は類天疱瘡抗原と同一のものである可能性が示された。さらに過去の報告における免疫ブロット法によるLPP抗原の解析結果についても考察を加えた。

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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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