西日本皮膚科
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治療
高麗人蔘エキス含有Lotion 2種によるざ瘡患者の治療と考察
牧野 典子中山 秀夫
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1996 年 58 巻 3 号 p. 479-485

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抄録

1992年第18回世界皮膚科学会において人蔘エキス外用にて動物の実験的面皰の予防治療効果が著明であるとのSuhrらの報告があった。我々はこの研究を参考に2%高麗人蔘エキス加10%エタノール含有水溶液(G-lotion)及び2%高麗人蔘エキス含有イオウカンフル液(GK-lotion)の2種の外用剤を作成し, ざ瘡の外来患者157例に投与した。有効性評価対象は4週以上使用例とし, それ以下は脱落例とした。G-lotionは投与群85例から脱落36例を除く49例, GK-lotionは投与群72例から脱落24例を除く48例であった。その結果G-lotion有効率は49例中34例, 69.4%, 有用率は51例中34例, 66.7%, 副作用は51例中1例, 2.0%であった。GK-lotionの有効率は48例中40例, 83.3%, 有用率は53例中40例, 75.5%, 副作用は53例中10例, 18.9%であった。抗生物質及び, ジオール®の全身投与併用例を除くと, G-lotionは有効率は42例中29例, 69.0%, 有用率は43例中29例, 67.4%, 副作用は43例中0例, 0%であった。GK-lotion有効率は35例中28例, 80.0%, 有用率は38例中28例, 73.7%, 副作用は38例中6例, 15.8%であった。またGおよびGK-lotionの投与により抗生剤全身投与を中止できた症例が多くあり実用化に有意義な外用剤であると考える。

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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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