1997 年 59 巻 2 号 p. 252-254
伴性遺伝性魚鱗癬(以下, XLI)患者のsteroid sulfatase(以下, STS)遺伝子をpolymerase chain reaction(以下, PCR)法を用いて解析した。臨床症状ならびにSTS活性の測定で確定診断されたXLI患者9例について末梢血白血球よりgenomic DNAを抽出し, STS遺伝子の2ヵ所(STS遺伝子上流領域; 5'STS, STS遺伝子下流領域; 3'STS)をPCR法にて増幅した。9例中8例で5'STS, 3'STSともに増幅されず, STS遺伝子の全欠損が示唆された。9例中1例で5'STS, 3'STSともに増幅された。この結果は本邦においてもXLI患者では高頻度にSTS遺伝子を欠損するというこれまでの報告を支持するものと思われた。