西日本皮膚科
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成人型アトピー性皮膚炎における顔面皮疹が高度な患者群の検討
—顔面限局型は存在するか—
新澤 みどり佐藤 俊樹富田 靖
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1997 年 59 巻 2 号 p. 266-269

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抄録

秋田大学医学部皮膚科アトピー外来における成人型アトピー性皮膚炎患者のうち顔面紅斑が高度で難治かつ体幹や四肢にほとんど皮疹が認められない12症例を顔面限局型と仮称し, 顔面を含む全身の皮疹が難治な同数の症例(全身型)と比較検討した。顔面限局型は思春期にスポーツなどを直接の契機に発症する例が多く通常の治療では軽快せず転院を繰り返していた。アトピー素因は本人の既往症·合併症·家族歴とも2群間に差はないが, 重篤な眼合併症は全身型に多かった。血清IgE値は顔面限局型で平均1261IU/ml, 全身型で5357IU/mlと有意に全身型で高値であった。これは皮疹の総面積を反映しているものと考えられた。末梢血好酸球数は顔面限局型で平均747/mm3, 全身型が679/mm3であった。顔面限局型は丁寧なスキンケア指導, 短期ステロイド外用, 免疫抑制剤軟膏が奏効する例が多く, 全身型とは異なる対応が必要と思われた。

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© 1997 日本皮膚科学会西部支部
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