西日本皮膚科
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治療
ニューキノロン系外用抗菌剤の尋常性ざ瘡に対する治療効果
—各種抗生物質内服との併用—
畑 三恵子天野 薫子本田 光芳相良 宗徳中村 進一岩崎 容子鈴木 かやの伊東 文行
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1997 年 59 巻 6 号 p. 880-882

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抄録

尋常性ざ瘡患者59例(平均22.5±4.4歳)に対し, 従来使用していた抗生物質(塩酸ミノサイタリン, 塩酸テトラサイクリン, ロキシスロマイシン)にニューキノロン系外用抗菌剤ナジフロキサシン(アクアチム®クリーム以下アクアチム)を併用した際の臨床効果を検討した。その結果, 効果判定可能症例53例中, 著効が13例(24.5%), 有効が28例(52.8%), やや有効が8例(15.1%), 無効が4例(7.5%)であり, 有効以上は41例(77.4%)であった。副作用はロキシスロマイシンによると思われる胃腸障害が2例, 石鹸によると思われる紅斑, 丘疹が1例あった。アクアチムによると思われるものは発赤が1例, 紅斑が1例であり, キノロン系抗菌剤の内服薬にみられる光線過敏症は1例もみられなかった。このことよりざ瘡を治療する上で抗生物質内服とアクアチム外用の併用は十分効果があり, 治療の選択肢が広がった。

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© 1997 日本皮膚科学会西部支部
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