抄録
8-methoxypsoralen(8-MOP)塗布条件を変えたときの光毒性の差違をスキンタイプIIIの健常成人7名の背部皮膚で検討した。UVA照射量は2時間前に0.3% 8-MOPを塗布した条件での最小光毒量の2倍とし, PUVA紅斑強度は照射48時間後にテスト部位の画像解析により定量した。(1)8-MOPを, 30分∼2時間前に塗布すると紅斑強度はほぼ同等かつ最大で, 15分前および4∼6時間前では紅斑強度はその50∼70%に減弱した。24時間前塗布では紅斑は生じず, 直前の塗布では紅斑は被験者の一部で軽微に認められるのみであった。(2)8-MOP濃度と紅斑強度の関係は線形でなく, 0.03∼0.1%で紅斑強度が急激に変化するS字状を呈した。(3)8-MOPの重ね塗りを行った場合では外用回数による紅斑の差はほとんどなかった。PUVAの光毒性と治療効果は必ずしも一致しないが, 白斑など皮膚のbarrier機構が正常と考えられる疾患の8-MOP外用PUVA療法に際して, これらの情報は有益と考え報告した。