西日本皮膚科
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症例
固定性地図状紅斑
飯田 利博西山 千秋泉 裕之
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1999 年 61 巻 1 号 p. 3-6

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抄録
生後4ヵ月の男児。出生11日目に顔面の紅斑に気づく。次第に四肢, 体幹にも増大してきたため日本大学医学部付属練馬光が丘病院皮膚科を受診した。初診時, ほぼ全身に手大までの軽度浸潤性環状紅斑が一部融合し, 不規則に散在していた。GOT, GPTが1歳頃まで時折高値を示す以外, 諸検査は正常範囲内であった。この環状紅斑は肝機能の推移と関係なく約5週間の経過で消長を繰り返し, 3歳半の現在に及んでいる。またちょうど1歳時に水痘に罹患したが, その間4週間皮疹は全く消退していた。多発する環状紅斑に加えて1歳頃より次第に両手背から手関節背面に及んで脂肪組織が薄くなり, 年齢と共に成人様外観が顕著になってきた。
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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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