西日本皮膚科
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症例
手掌に生じたAcquired Fibrokeratoma
—Reactive Nodular Hyperplasia of Hands and Oral Mucosaとの関係について—
相浦 佐和子三砂 範幸井上 卓也成澤 寛
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1999 年 61 巻 1 号 p. 55-58

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抄録
患者は61歳の男性。右手掌に, 基部が結節状に隆起した指状突起を認めた。病理組織学的に, 病変は過角化, 表皮肥厚を伴った真皮成分が主体であり, その真皮成分は, 不規則な配列を示す膠原線維の増生と多数の結合織細胞よりなり, 小血管の拡張と軽度の増生を伴っていた。結合織細胞は, Factor XIII a陽性の樹枝状または星状細胞と, 組織球より構成されていた。手掌という比較的稀な部位に生じたものの, 臨床病理学的にacquired fibrokeratoma (AF)に一致した。一方, 手掌に好発する後天性良性線維性腫瘍としてreactive nodular hyperplasia of hands and oral mucosa (RNH)が知られている。そこで, 文献的に, AFとRNFとの関係について考察した。その結果, AFの疾患概念の変遷に伴い, RNFはAFに包括されるものと考えられた。
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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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