西日本皮膚科
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症例
妊娠中に発症したRamsay Hunt症候群の1例
渋谷 和治倉持 朗池田 重雄土田 哲也
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1999 年 61 巻 5 号 p. 618-622

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抄録

28歳の女性(妊娠16週)。1996年3月19日より左側頬部痛·耳痛が, 次いで左側耳介部, 下顎部, 下口唇に小水疱が出現, 近医受診し, 帯状疱疹の診断にてビダラビン軟膏処方され, 外用するも症状増悪した。入院の後, 妊娠中であったため, 抗ウィルス剤の全身投与は施行せず, 左頬部痛·耳痛に対し星状神経節ブロックを主として治療を開始したが, 4月2日より顔面神経麻痺が出現, Ramsay Hunt症候群と診断した。以後も星状神経節ブロックを継続したところ顔面神経麻痺は徐々に回復し, 随伴する疼痛も軽減した。妊娠38週に正常分娩で3230gの児を出産。児に明らかな奇形は認めなかった。現在, 神経症状はさらに回復し, 筋電図上でも麻痺は認めていない。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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