西日本皮膚科
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症例
クラリスロマイシン単独投与で治癒したMycobacterium Marinum感染症の1例
八幡 陽子村上 信司佐山 浩二橋本 公二宮内 俊次
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2000 年 62 巻 1 号 p. 77-79

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抄録
23歳の女性。熱帯魚を飼育。右肘関節外側に膿瘍と右上肢屈側に痂皮を付着する赤色の結節が数個出現。赤色結節の病理組織では類上皮細胞性肉芽腫を認めた。生検組織と患者の飼育している熱帯魚と水槽の水の抗酸菌培養で各々よりMycobacterium(以下M.と略)marinumを検出。治療としてミノサイクリン内服を行ったが無効であったため,クラリスロマイシン800mg/日内服に変更。3.5ヵ月間の内服で治癒し以後再発を認めていない。M. marinum感染症の本邦報告例150例中本剤単独で治療した症例はなかった。今後クラリスロマイシンは本症治療の第1選択薬となりうる可能性が示唆された。
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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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