抄録
Sjögren症候群を合併し,経過中に難治性皮膚潰瘍を生じた,筋症状のない皮膚筋炎(amyopathic dermatomyositis)の40歳の女性例を経験した。病理組織学的には,右第2指中手指節関節(MP関節)部伸側の紅斑はいわゆるリンパ球性血管炎の像を呈していた。経過中右第3指伸側の近位指節間関節(PIP関節)が露出し,伸筋腱が壊死に陥り,脱臼を呈した。皮膚潰瘍に対しては,メチルプレドニゾロンのミニパルス療法が効果的であった。悪性腫瘍や間質性肺炎の合併は認めなかった。発病後12ヵ月経過後も筋症状はみられない。