2019 年 55 巻 2 号 p. 253-258
腸重積にて発症した管腔内型の回盲弁部腸管重複症を経験したので報告する.症例は10か月男児.嘔吐を主訴に受診した.腹部超音波検査で腸重積が示唆され,高圧浣腸にて腸重積を認め整復は可能であったが,回盲部に球形の異常陰影が残存した.腹部CT検査も併せて腸管重複症の診断のもと,開腹術を施行した.回盲弁部に腫瘤を認め,回盲弁の温存は困難であり回盲部切除を行った.病理検査で異所性胃粘膜を伴う腸管重複症と確定診断した.回盲弁部腸管重複症は稀であり,術式に検討を加えて報告する.