抄録
中国南方地区における72名のハンセン病患者及び138名の健常者にっいて血漿TNF-αを測定し,本疾患の病型や病態形成における関与について検討した。WHO-MDT分類に基づいて分類すると72名のうち51名はMB型に21名はPB型に属していた。患者と健常者の血漿TNF-α値はELISA法(Predicta®TNF-αキット)により測定した。血漿TNF-α濃度は患者群では142.7±17.1pg/mlで,その内訳はMB群では162.2±21.2pg/ml, PB群では95.4±25.7pg/mlであった。この値は健常者(18.1±1.6pg/ml)に比較していずれも有意に高値を示した。一方,罹病期間との関係についてみるとTNF-α値はMB型では10-19年, PB型では30-39年の群に高い傾向が認められた。