目的:本研究は,クリティカルケア領域の看護場面における看護師-患者間の触れる現象に着目し,日々の看護実践の中で看護師がどのような状況で,どのように患者に触れるのかという観点から,Intensive Care Unitにおける看護師の触れることの特徴を明らかにすることを目的とした.
方法:看護師10名とその受け持ち患者13名に参加観察を行い,看護師に対しては半構造的面接を実施することで,看護師の行動と認識の側面からデータを収集し,テーマ的コード化(Flick, 2007/2011)を参考に分析を行った.
結果・結論:43場面の分析から7つの触れることの特徴が明らかとなった.7つの特徴は,看護師が状況をどのように知覚したのかに応じて現れる看護師の触れる行為であり,7つの特徴には,触れることが常に「手を通した患者の状況把握」として働いていることと,「状況に応じて不断に変化する」という2つの通底している特徴が示された.