西日本皮膚科
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症例
造影検査の前投薬として使用されたフェノバルビタールによる固定薬疹の1例
村田 薫籏持 淳新海 浤
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2000 年 62 巻 3 号 p. 343-345

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抄録

69歳の男性。右臀部,左大腿屈側,両下腿屈側,右足関節内顆からアキレス腱部にかけて一部に水疱を伴うメガネレンズ大までの紅斑が認められた。皮疹出現約12時間前に第4腰椎変性すべり症の手術治療のためイソビスト240® による脊髄造影検査およびその前投薬としてフェノバルビタールと硫酸アトロピンの筋注を受けた。イソビスト240®,フェノバルビタール,硫酸アトロピンを用い皮疹部と無疹部でそれぞれパッチテストを施行した。皮疹部のフェノバルビタール貼付部のみas isおよび10%溶液にて陽性となり原因薬と考えられた。バルビツール酸系薬剤は薬疹を生じやすい薬剤である。特にフェノバルビタールは現在,主に抗痙攣薬として使用されているが,手術,各種検査の前投薬として使用され注意が必要である。

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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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