抄録
75歳の男性。約20年前から全身に丘疹,紅斑,苔癬化局面,色素沈着など多彩な皮疹が出現し,市販外用剤の他,他院で治療を受けていたが増悪,改善を繰り返していた。末梢血好酸球29%,1624/μlと著明に増加しており,病理組織では真皮上層にリンパ球と多数の好酸球の浸潤を認めた。精査の結果,皮疹,好酸球増多の明らかな原因を認めず,hypereosinophilic syndromeの湿疹·痒疹病変と診断した。治療としてPUVA-bath療法を行い,皮疹の改善を認めた。また, PUVA-bath療法後4ヵ月で好酸球数,eosinophilic cationic protein値をPUVA-bath療法前と比較したところ,ともに基準値まで減少を認めた。