西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
多形紅斑から急性汎発性発疹性膿疱症への移行を認めた薬疹
宇宿 一成猿渡 浩島田 英彦金蔵 拓郎神崎 保
著者情報
ジャーナル 認証あり

2000 年 62 巻 6 号 p. 727-729

詳細
抄録

73歳の男性。血管造影施行後cefazolin sodium(CEZ)を点滴静注された。数時間後よりそう痒を伴う紅斑が両大腿に出現し全身に拡大。初診4日後には紅斑上に膿疱が集籏性に出現した。検査所見では白血球増加と炎症所見を認めた。膿疱出現の前後で皮膚生検を行っており,病変の移行に伴う病理組織学的変化も観察し得た。初診4日後よりプレドニゾロン(PSL)40 mg/日より治療開始。皮疹は速やかに改善し,再燃を認めなかった。臨床像と検査所見および病理組織学的所見から,本例を多形紅斑から急性汎発性発疹性膿疱症へ移行したものと診断した。

著者関連情報
© 2000 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top