西日本皮膚科
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症例
Crow-Fukase症候群の1例
村田 薫籏持 淳松島 弘典新海 浤太和田 暁之
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2001 年 63 巻 5 号 p. 517-519

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抄録

症例は78歳の男性。1999年5月頃より陰萎,両手,両足のしびれが出現。その後,両足背の浮腫,顔面,両前腕に色素沈着,下肢脱力感が出現し,当院神経内科へ入院となった。精査により多発神経炎,内分泌異常,Mタンパク血症,皮膚症状があり, Crow-Fukase症候群と診断された。皮膚症状として,色素沈着,浮腫,血管腫を認めた。右第II指の紅色丘疹の病理組織は,capillary hemangiomaの像を呈していた。血中のIL-6と血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)の増加が認められた。メルファラン及びプレドニゾロンの併用内服投与による治療開始後,両足背の浮腫と筋力,感覚障害などの神経学的所見は改善傾向を示し,初診時に高値を示していたVEGF値の低下がみられた。

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© 2001 日本皮膚科学会西部支部
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