無色素性悪性黒色腫は原発性悪性黒色腫の約2%を占めるといわれているが,色素性悪性黒色腫に「続発」したことが明らかな場合がある。今回我々は,先行する色素性病変が退色するとともに,腫瘍が増大またはびらん化し,無色素性悪性黒色腫として発見された2例を経験した。メラニン生成能の低下と,腫瘍の増大·転移といった悪性度の増加との間には関連があるものと思われた。無色素性悪性黒色腫は臨床的に血管拡張性肉芽腫や胼胝など良性病変との鑑別に苦慮することもある。先行する色素性病変の存在は診断の有力な手がかりになり,それを十分把握することによって不適切な切除や生検が避けられると考えた。