2002 年 64 巻 2 号 p. 157-160
38歳の女性。15年前から筋力低下,関節痛,レイノー症状があり,多発性筋炎として治療を受けていた。その後,手指関節の変形,体幹の網状暗赤色斑,熱発が出現し,精査のため入院。白血球2900/μl,抗核抗体陽性,lupus band test陽性,抗DNA抗体(RIA)7730IU/μlと著明高値を示し,眼科,口唇生検,唾液腺造影の所見とあわせ,シェーグレン症候群を合併した全身性エリテマトーデスと診断した。低身長(141cm)があり,末梢血リンパ球の染色体分析で45X/46XX/47XXXのモザイクを示すことから,ターナー症候群と考えられた。両者の合併は,自己免疫疾患の発症要因を検討する上で注目に値すると考えた。