西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
治療
乾癬患者におけるカルシポトリオール軟膏(ドボネックス軟膏®)への変更後2ヵ月間の経過観察
林 伸和川島 眞
著者情報
ジャーナル 認証あり

2002 年 64 巻 2 号 p. 232-236

詳細
抄録
カルシポトリオール軟膏の使用経験を報告した。対象患者は,当院にてカルシポトリオール軟膏を使用開始し,開始後2ヵ月間に1度以上通院した30名の患者である。ステロイド外用剤もしくはタカルシトール軟膏から変更した場合にも,増悪した症例はなく,調査した紅斑,浸潤,鱗屑のすべての項目で改善がみられた。随伴症状として紅斑の周囲への拡大がみられた症例が4例あり,刺激感を訴えた症例が1例あった。今回の検討から,有効性の点では,特に他剤からの切り替えの際に配慮は必要ないことがわかった。また,浸潤や鱗屑に対しては,その効果が明確であるが紅斑は周囲に拡大することがあることがわかった。カルシポトリオール軟膏は,活性型ビタミンD3誘導体であり,作用機序,副作用とも従来のステロイド外用剤とは異なり,今後の体幹,四肢の乾癬の外用薬として重要な位置付けになると考えられた。
著者関連情報
© 2002 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top