西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
治療
尋常性乾癬に対するカルシポトリオール軟膏単独外用療法の臨床効果の検討
中山 樹一郎久保田 由美子高橋 聡清水 昭彦
著者情報
ジャーナル 認証あり

2002 年 64 巻 5 号 p. 631-638

詳細
抄録
中等症以上の尋常性乾癬18例にカルシポトリオール軟膏を1日2回外用し,臨床効果,有害事象の有無,患者QOL向上の有無について検討した。入院治療の場合,カルシポトリオール軟膏1日2回外用を2週間,医師および看護師が徹底し,外来通院患者の患者自身による2週間の外用効果と比較した。その結果は,入院と外来患者の臨床効果に明らかな差はなく,自宅での外用が指示通りなされていることが推測された。外来患者での12週間外用後の平均改善度は80%であり,痒みも最終的には有意に改善した。有害事象としては,18例中2例に外用後の皮膚刺激感があった。血清Ca値の上昇は認めなかった。患者QOLに関するアンケート調査では,カルシポトルオール軟膏外用により,最も苦痛と感じていた「外観」についての有意な改善がみられた。治療に対する満足度(満足~多少満足)も33%から80%へ上昇した。
著者関連情報
© 2002 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top