西日本皮膚科
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症例
エイによる魚刺傷にVibrio vulnificus 感染症を来した1例
牧野 公治平井 俊二
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2005 年 67 巻 1 号 p. 34-37

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抄録
32歳の男性,漁師。2003年9月7日昼,熊本県八代市の海岸でエイに右足背を刺された。激痛があり,当院救急外来を受診,創の洗浄と消毒,セフゾン®やセレスタミン®が投与された。翌日,疼痛の持続と気分不良が強く,当科受診,入院となった。創部浸出液のグラム染色は陰性だったが,培養でVibrio vulnificus (V. vulnificus),Vibrio parahaemolyticusを検出,エイによる魚刺傷部に外傷性のV. vulnificus感染症を伴ったものと診断した。チエナム®倍量,塩酸ミノサイクリン,免疫グロブリン投与及び強酸水による頻回の洗浄を行い,9月25日後遺症もなく退院した。軽症にて改善した理由として(1)基礎疾患がなかったこと,(2)早期の抗菌剤による治療,(3)足浴と創内部の洗浄が奏効した,などを考えた。
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© 2005 日本皮膚科学会西部支部
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