2005 年 67 巻 2 号 p. 133-136
25歳の女性。約3ヵ月前から左側腹部に圧痛が出現し増強。初診時,皮膚表面に異常なく,皮下の硬結がわずかに認められるのみであった。MRIで皮下組織に1.2×1.0cmの分葉状の病変を確認。手術時,末梢神経に巻きついた径約7mmの2個の数珠状結節がみられた。病理組織像で被膜を認め,腫瘍内に紡錘形細胞,軸索がみられた。構成する腫瘍細胞は免疫組織化学染色でS-100陽性であった。病理学的所見から神経線維腫と診断した。Recklinghausen病を疑う臨床所見はみられなかった。