西日本皮膚科
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治療
ミゾリビンとプレドニゾロン併用療法が有効であった自己免疫性水疱症の5例
杉田 和成小林 美和吉岡 学植村 文子吉木 竜太郎古賀 千律子西尾 大介戸倉 新樹
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2006 年 68 巻 4 号 p. 422-425

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抄録

免疫抑制剤であるミゾリビンは,ループス腎炎や関節リウマチの治療薬に用いられている。今回,ミゾリビンの自己免疫性水疱症への効果を検討した。症例は,尋常性天疱瘡(1例),薬剤誘発天疱瘡(2例),水疱性類天疱瘡(2例)の5症例である。これらに,プレドニゾロン,ミゾリビン併用療法を行った。この治療により,いずれも皮膚症状は軽快し,加えて血中抗デスモグレイン1抗体,抗デスモグレイン3抗体価は低下した。このことからミゾリビンが自己抗体産生を抑制する可能性が考えられた。また,ミゾリビンはシクロスポリンやアザチオプリンと比べ副作用が少ないのが特徴で,今回の検討でも骨髄抑制や肝機能障害などの副作用はみられなかった。プレドニゾロン,ミゾリビン併用療法は,ステロイド単独療法抵抗例やステロイドの副作用軽減に有用と考える。

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© 2006 日本皮膚科学会西部支部
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