西日本皮膚科
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治療
尋常性乾癬に対するカルシポトリオール軟膏単独療法とナローバンドUVBとの併用療法との比較検討
高橋 英俊高橋 一朗飯塚 一
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2011 年 73 巻 2 号 p. 180-185

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抄録

46例の尋常性乾癬患者をランダム化オープン試験によりカルシポトリオール軟膏外用単独とナローバンドUVB照射療法の併用療法の2群に分け,臨床効果および安全性について検討した。治療前と比べ,治療開始2週,4週,8週において両群とも有意にPASIスコアの低下およびそう痒の改善がみられた。併用群は単独群に比べ,より改善傾向が認められたが,両群間での有意差はなかった。さらに,治療前後に血中IL-17,IL-20,IL-22の推移を検討したところ,治療後両群とも有意にサイトカインレベルの低下がみられたが,両群間での有意差はなかった。Self PASI およびPDIの治療前後の推移について検討したところ,PASIスコアの推移とともにスコアの低下がみられたが,両群での差はみられなかった。本試験中,高カルシウム血症などの重篤な副作用はみられなかった。カルシポトリオール軟膏外用治療に際して,ナローバンドUVB照射の併用は今回の検討では治療効果の有意な改善増強効果は得られなかった。これは照射回数が週に1から2回程度であるためと推定され,紫外線照射治療併用で治療効果増強を期待するためには,より多くの照射回数が必要であると考えた。

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© 2011 日本皮膚科学会西部支部
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